1.5型センサー搭載、実用性も高い高画質モデル キヤノン「PowerShot G1 X」 (ITmedia デジカメプラス)

2012-02-21 05:09:31 作者:サイエンス 来源:サイエンス 浏览次数:0 网友评论 0

 なんというか、ゴツいデジカメである。ゴツゴツしてて黒くて四角くてちょいとデカくて、かといって富士フイルムのXシリーズのテイストとは違う。あちらは趣味道楽のカメラという感じだけど、こちらは質実剛健な写真を撮る道具って感じがする。

【他の画像】

 キヤノンの「Powershot G1 X」(以下 G1 X)である。デザインテイストは2010年に出たPowershot G12とほとんど同じ。あれが巨大化したものと思っていい。G12はいいカメラで、特別な高画質が不要な仕事なら、これ1台でこなせちゃうような実務的な仕事で使えた。

 そのテイストをそのまま受け継ぎサイズを大きくしたのが、G1 Xと思っていい。なぜデカくなったのか。撮像素子がデカくなったからである。

●1.5型CMOSセンサーの威力

 とりあえずG12と並べてみたのでどうぞ。

 G1 Xの方がひとまわりデカいのがわかる。一番の違いは撮像素子サイズだ。G12は一般的なハイエンドコンデジと同じ1/1.7型のCCDを搭載していた。G1 Xは1.5型のCMOSである。ちなみにニコンのミラーレス一眼「Nikon 1」は1型、オリンパスPENやパナソニックのマイクロフォーサーズは4/3型(つまり、1.25インチ)であるから、マイクロフォーサーズよりデカい。ミラーレス一眼クラスの撮像素子を搭載しているのだ。

 画素数があまり変わらない場合、撮像素子がでかくなるとダイナミックレンジと高感度時の画質で有利となる。

 とりあえず比べてみる。JPEGなので撮像素子+画像処理回路の性能ということになるが、ISO3200でPowershot G12と、パナソニックのDMC-G3で撮り比べてみた。絞り優先AEでF5.6に統一している。露出がちょっと違うのはカメラのAEのせい、「Gなんとか」って名前のカメラが並んだのはまあ偶然ってことで。

キヤノン「Powershot G1 X」の作例集:(http://camera.itmedia.co.jp/dc/articles/1202/20/news027.html)


 G1 Xがちょっとオーバー目の露出になったけど、撮像素子が大きい分、G12に比べると圧倒的、G3に比べるても不自然さがなくていい。さすがである。ちなみにISO感度はISO100から最高12800まで選択できる。もうひとつ、被写界深度(ピントの合う範囲)が違う。マイクロフォーサーズに比べても前後のボケが大きい。

 撮像素子が大きくなった分、大変なのはレンズである。撮像素子面積が6.3倍になった分、レンズも大きくせざるをえないが、あまり大きくするとコンパクトデジカメとしての機動力が失われる。それを考えると、このレンズ径でとどめたのはすごい。

 搭載されたのは35ミリ換算28~112ミリ相当の沈胴式4倍ズームレンズ。レンズカバーは着脱式。5倍ズームだったG12に比べると望遠側がちょっと弱くなった。明るさはF2.8-5.8。広角側のF2.8は死守したといっていいかも。

 ただマクロ撮影を多用したい人は注意。G12はワイド端でレンズ前5センチ、テレ端で30センチまで寄れたが、G1 Xはワイド端でレンズ前20センチ、テレ端だと80センチまでしか寄れない。一眼レフの標準ズームレンズよりも寄れない。これは頭にいれておくべきだろう。

 画質はすこぶるいい。いわゆるコンデジだと思って使うと驚くこと請け合い。単に撮像素子が大きい分前後がボケるのみならず、ダイナミックレンジも発色もしっとり感もディテールの描写力もかなり高くて、下手なミラーレス一眼よりずっといい絵を撮ってくれる。「マクロから望遠まで1台あれば何でもかんでも撮れる」という良さはないけれども、守備範囲内なら極めて高品質な写真を撮ってくれるのだ。

●G12ゆずりのメカっぽい操作系

 G1 Xの良さはそのデジタルくさくない操作系と拡張性にある。

 ややゴツいけれども、カメラとしては適度な重さで、グリップの滑り止めもしっかり効いて安定感がある。内蔵ストロボが手動ポップアップ式になったので、不用意に光ってしまうことがないのもいい。

 G12に比べるとISO感度ダイヤルこそなくなったが、同軸二段重ねの露出補正ダイヤルと撮影モードダイヤルは健在。グリップにある電子ダイヤルと、背面のロータリーダイヤルへ任意の機能を割り当てるショートカット機能はカスタマイズ可能なので、撮影時にさっと切り替えたい機能はまかなえるだろう。メカニカルなダイヤルは確実にすばやくセットできるので信頼感がある。

 センサーサイズが大きい分、基本的な画質がよいので撮影時に小細工が必要なシーンはあまりないだろうが、ダイナミックレンジ拡張はときどき使うと便利。最高ISO感度が1600に限定されるが、ハイライト部を最高400%まで広げてくれるので逆光時などによい。

 撮影モードはフルオートや各種マニュアルのほか、シーンモードとクリエイティブフィルタモードなどがある。フルオートではIXYやPowershotと同様、「主役フォーカス」や「こだわりオート」に対応。フルオートで気軽に撮ってもいいが、IXYや他のPowershotに比べると被写界深度が浅い分ピントがシビアなので、AFポイントは枠を小さくしてきちんと自分で指定するのがよいかと思う。AFの種類はオートのAFポイントを移動できるアクティブAF以外にも、キャッチAFや顔優先AFを選べる。AF速度はちょっと速いコンデジくらいだと思っていいだろう。

 液晶パネルはG12と同じバリアングル液晶で3型/92万万画素でけっこう見やすい。さっと開いて自由なアングルで撮れる。液晶モニタ上にあるのはズーム連動する光学ファインダー。ただここまでやるなら、EVFを搭載した方が実用性は高かったかと思う。次はぜひ検討してもらいたい。

 と、これだけの性能で想定実売価格は6万5000円~7万5000円前後(同社オンラインショップでの価格は7万4980円)。この撮像素子&画質とこの作り込みでこの価格は安いと思う。少なくとも、価格にふさわしい画質は得られるだろう。

 クオリティ重視で実用性が高くて、けどズームレンズ一体型のカメラが欲しい人はぜひ、である。風景やポートレートを撮りたい人、仕事で記録写真を撮るとかそういう人にもいい。おしゃれなカメラより質実剛健な実用派カメラが欲しい人にもいい。ただ、マクロ撮影を多用する人(花を撮るとかコレクションを撮るとか料理を撮るとか)は最短撮影距離をチェックしてからがお勧めか。

[荻窪圭,ITmedia]


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